【ワンピース】藤色の若き虎

【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎34

 直径およそ50メートル、深さは10メートルほどの大きな穴。  そこに飛び込んだツバキだったが、周囲に散らばっていたスライムが先ほどの反撃とばかりに殺到してきた。  斬り落としながら迎撃するものの、いくら斬ったところで大したダメージを与...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎33

 スモーカーとモネが接敵していた頃、ツバキもまた巨大スライム──『スマイリー』を至近距離から視界に捉えていた。  全体的に赤く、それでいて顔のようなものがしっかりと確認できる。  スマイリーはシーザーが悪魔の実を用いて作り出した生物兵器...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎32

 ツバキと女海兵、そして麦わらとその仲間数名が巨大スライム──スマイリーの元へと向かって行くのが見える。  それを離れた場所から監視していた女は狙い通りに事が進んで口元を歪ませた。  自身の狙い通り、あの扱い難い生物兵器で敵の注意を逸ら...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎31

 目の前に佇む巨大な怪物をツバキは見た事がなかった。  咄嗟にスライムという単語が出たのはただの思い付きだったが、泥というよりは確かにスライムの方が近いように見える。  尤も、普通のスライムは勝手に動いたりここまで巨大なものはない筈なの...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎30

 ドクン、ドクンと鼓動を続けている二つの心臓をうっかり潰してしまわないように懐へしまい込んだ。  心臓はローの能力によって作り出されたと思われる立方体型の透明な器に入っているが、それでも臓器を懐に入れるという生理的な嫌悪感はどうしても感じ...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎29

 ツバキが仲間達と合流した地点は施設の中だったが、今は全員無事に外に避難している。  今頃、あの建物の中にはガスが充満して生きている者が居ない地獄となっている筈だ。  海兵、海賊、そして子供達が誰一人欠ける事なく逃げ出せたのは奇跡に近い...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎28

 ドラゴンの……いや、彼の名前はモモの助というらしい。  この子もまたシーザー達に捕まっていた子供の中の一人で、どうも施設の中にあった奇妙な果実を食べてしまい、身体がこのようなドラゴンの姿になってしまったようである。  その果実とは恐ら...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎27

 シーザーと石化したヴェルゴを両肩に担いだまま、ツバキは施設の中を探索していた。  既にガスが回り始めているが、重力を操作することで半径3メートルほどのガスが勝手に避けていく。  もちろん常に能力を使っている状態なので疲労は溜まっていく...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎26

「おいルフィ。さっきの奴、ホントに信用して良いのか? この先に海軍が罠を張っているかもしれないんだぞ?」  ツバキに言われた通りの方向へ真っ直ぐ走っていたルフィ達だったが、後ろに彼の姿が見えなくなったところで足を動かしたままウソップが口を...
【ワンピース】藤色の若き虎

藤色の若き虎25

 感じる気配は複数。  それも数人という訳ではなく、十人を軽く超えるような数の気配がこの部屋のすぐそこまでやって来ていた。  毒ガスが充満しつつあるこの場所にやって来るというのは非常にまずい。  その気配の正体が“巨人のような体格をし...
タイトルとURLをコピーしました