二次創作小説

【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者95

 カーテンから漏れる外からの光が、ちょうどグッスリと眠っているオロチの顔を照らしている。  時刻はすでに昼近い。  ポカポカと暖かく優しい日差しではあるのだが、それでも太陽の光には違いなく、暗闇に慣れている目には些か刺激が強すぎた。 ...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者94

 突如として現れた破壊の化身とも呼ぶべき存在、帝国史上最大の危機、そして最高戦力の内ひとりの離反がトドメになった。  これら一つでも頭を悩ませる問題だというのに、僅かな時間でそれらが一気に押し寄せてきたジルクニフは呆然と立ち尽くしている。...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者93

 ジルクニフは目の前にいる人の皮を被ったナニカから、一瞬たりとも視線を外すことができなかった。  見た目は幼さを残した少年にしか見えないのだが、こちらを見下すその姿は魔王と言われても納得できるだけの圧倒的な威圧感がある。  皇帝という立...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者92

 オロチが今抱いている感情は、怒り。  自分にとって命よりも大切なナザリックを荒らそうと企む者がいる、そんな戯言を聞いてしまったのだ。  今すぐにでも依頼主だというフェメールなる貴族を見つけ出し、その者を嬲り殺したい衝動に駆られてしまう...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

第三章【バハルス帝国編】鬼神と死の支配者91

 バハルス帝国では、他国と比べてワーカーと呼ばれる者たちの活動が盛んに行われている。  彼らは冒険者組合では受けられない仕事……例えば殺人などの犯罪行為であっても報酬次第では請け負うため、危険は多いがそのぶん実利も多いのだ。  なので問...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者90

 まだ朝日が昇っておらず、街が暗闇に染まっている時間帯。  竜王国に活気が戻ったと言っても、流石にこうも夜が深まれば皆が眠りにつき、街は静寂に包まれている。  そんな中、ひとつの影が人間離れした身体能力を駆使し、宿の窓から室内へ侵入しよ...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者89

 朧げに光る月明かりと頼りないランタンの灯りだけを頼りに、数人の男女が暗闇に包まれた森を進んでいる。  その身のこなしや身につけている装備から全員がかなりの実力者だと一目で分かるのだが、彼らの表情は皆一様に暗いものだった。  少なくとも...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者88

 オロチの身体が胴体のところで真っ二つに切り裂かれた。  もちろん切り裂いたのは対戦相手であるセラブレイトだ。  観客席のあちこちから悲鳴が上がり、オロチの実力を知る者たちは呆然とそのシーン見守ることしかできない。 「…………?」 ...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者87

 見渡す限りの人の群れ。  パッと見る限り会場に空席などはひとつも無く、通路にまで観客がギッシリと敷き詰められていた。  つい数日前まで活気が無かった街とは思えないほどの盛り上がりである。  実際にこの場に立ってみると、観客席から見る...
【オーバーロード】鬼神と死の支配者

鬼神と死の支配者86

『月華の英雄』オロチ、そして『クリスタル・ティア』のセラブレイト。  両者が行うことになった決闘はいつの間にか街を挙げての一大イベントと化していた。  決闘の開始まであと数時間はあるのだが、闘技場には早くも多くの国民と冒険者が押し掛け、...
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